「DX人材ってどんな人なの?」
「ITのことだけ詳しければDX人材なんでしょ?」
そんな疑問にお答えします。
結論からお伝えすると、
ITに詳しいだけの人は「DX人材」ではない!
ということです。
この記事では、DX人材はどういった人なのか、事例を元に説明します
目次
DX人材とはどんな人?
以前、社内でDXを推進するための要件ってどんな人なんでしょう。という質問をされました。
正直なところ、即答できなかったです。
ITとビジネスを知っているだけでは不十分な感じだとは感じていました。
ただ、何が足りないのかいまいち想像できなかったんですね、当時は。
それから頭の片隅にずっともってたこの疑問。
意外なところから答えが出ました。
DX人材に必要なものが分かった瞬間
それは社内の役員会の場でした。
私はノーコードアプリに関連するプロジェクトの推進状況を伝えていました。
役員から、「そういったIT情報はどうやって収集してるの?特別な媒体があるの?」という質問が。
その情報は、
半年ほど前に日経新聞に出ていた小さな記事で知ったこと
役員会の場では、「このツールは日経の記事で知りました。特別なメディアを利用していません」と回答。
よくよく考えたら、ノーコードアプリについては日経新聞の記事なので、その場にいる役員は同じ記事を目にしているはずです。
なぜ、同じ情報を見ても反応が違うのか?
その答えは、「課題感をもっているかどうか」。
よく情報に対してアンテナを張ることが大事、とあなたも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
私はIT関連のプロとして、以前から「ITで解決できないことが多い苦しみ」を味わってきました。
なので、日経の小さな記事で課題が解決できるかも?とアンテナが働いたのでしょう。
DX人材に必要なことは、「課題感をもちIT関連情報にアンテナを張る」こと。
これに限ります。
もう少し具体的に説明すると、
という流れです。
補足:ノーコードアプリとは
WEBアプリ、スマホアプリをコーディング(プログラミング)なしで開発できるツールのこと。bubble、Adalo、AppSheetなどが有名。
30年で200万部ベストセラーもアンテナの重要性を指摘
「課題感をもちIT関連情報にアンテナを張る」、本当にそれがDX人材に必要なことなの?
とあなたは思うかもしれませんね。
裏付けとして、30年で200万部以上売れ続け、東大・京大で10年間で一番読まれている本からご紹介しましょう。
大きな問題なら、むしろ、長い間、寝かせておかないと、解決に至らない。考え出して、すぐ答の出るようなものは、たいした問題ではないのである。本当の大問題は、長い間、心の中であたためておかないと、形をなさない。(原文まま)
外山滋比古 思考の整理学(ちくま文庫)より
反射的にすぐ解決できるような課題(問題)は、たいした問題ではない。
大きな課題なら、時間をかける必要がある。
なんでもググれば答えが見つかる(と思ってしまう)今の時代、外山先生の言葉は重いですね。
課題をもつ重要性が感じられるのではないでしょうか?
私は、DX人材として一番必要なことは「課題感をもつ」ことだと考えています。
お仕事をされていれば、自分の仕事関連で課題感をもつ。
学生なら、自分が勉強(研究)していることで課題感をもつ。
子育てされているなら、子供の教育について課題感をもつ。
なんでもいいと思います。
課題をもつ
↓
課題がIT技術やなにかで解決できないか考えてみる
これが、DX人材に必要なものです。
思考の整理学では、他にも問題解決方法の具体的なアイデアが満載なので、とてもオススメの本です。
興味があれば是非ご覧ください。
DX人材ではなくDXクリエイティブ人材が必要
DX人材は課題感をもつことが大事とお伝えしました。
もちろん、課題感をもっているだけでは意味がないです。
課題感をもち、解決方法を考えることが大事。
ここで、「DX人材」という言葉は少し意味合いが違うのかな?と感じるようになりました。
現在、DX人材の明確な定義はあるのでしょうか?
経済産業省はDX人材(デジタル人材)を定義している?
経済産業省が公開しているDX関連資料で確認してみました。
日本企業では、デジタル技術を積極的に活用した経営戦略を描ける人材がいない。
「第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」資料から
経営戦略というと難しく感じますが、要するに課題をITで解決する方法を考える人がいない、ということですね。
さらに、こんなことも書かれています。
新たな経営戦略を考えるというよりも、企業自体が新たに形を変えることがDXである。その実現のためには、企業の内部の人材ではなく、必要な人材を外部から“次々と”取り入れていく必要があり、それができるかどうかも大きな課題である。
「第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」資料から
今までの日本企業で優先された「ゼネラリスト」ではなく、DX人材という「スペシャリスト」を取り入れる必要がある、ということですね。
ただ、この資料ではDX人材(デジタル人材と記載)の明確な定義は書かれていませんでした。
DX人材は企業ごとにに求める要件がちがうので、経済産業省はタッチしないようです。
企業側は判断が難しいですね^^;
なんとなくですが、この資料や他の資料も含め確認していると、次のように感じます。
経済産業省としてはDX人材を定義したい。
一方で、そんな人材どこにいるんだ!と反発されそうなので出せない。
というジレンマのような気がします。
DX人材ではなくDXクリエイティブ人材ではないか?
経済産業省としても、企業としても明確な定義が難しいDX人材。
一方で、求めている人材像は一緒だと感じています。
それは、
課題を見つけ、その課題をITを活用し解決できる人
そのような人の要件を具体化してみます。
おそらく、上記のような人材でしょう。
これはDX人材とは少し違う感じです。
どちらかというと、「価値を想像できる人」とも言えます。
そのため、私はDX人材ではなく「DXクリエイティブ人材」と呼ぶことにしました。
このブログでは、DX人材ではなくDXクリエイティブ人材と記載することがありますが、このような背景からです。
まとめ
今回は、DX人材として望まれる人物像について説明してきました。
最後にまとめますね。
抽象度の高い説明をしてきました。
今後、実際の事例を通して具体的な方法をお伝えします。
興味のある方は、ぜひ本ブログをブックマークしておいてください!